カルディがインストアベーカリーを導入しても不思議ではないと思う理由
インストアベーカリーが最近増えたと思いませんか?それ以上にパン屋さんが増えたとは思うのですが、まさかこのお店が焼きたてパンを扱うなんて、というお店がインストアベーカリーを導入しています。
このように感じたのは、大丸神戸店にオープンしたアフタヌーンティーのお店を見てから。このお店はデパ地下にあるのですが、メインは生活雑貨であり、Livingという部類に入ります。売場面積から見ても、生活雑貨中心なのですが、店舗の1/3ぐらいをインストアベーカリー(Bakeryという部類)が占めているのです。そこで、アフタヌーンティーの公式サイトを調べてみると、BakeryはLivingではなくTearoomというカフェ部門に入るのです。しかし、大丸神戸店デパ地下のアフタヌーンティーには、カフェはありません。アフタヌーンティーのブランド展開からすると、何だかチグハグなのです。
では、なぜLivingにインストアベーカリーを入れたのか?それは、デパ地下に売場を設置するからにほかなりませんが、それ以上に焼きたてパンを売ることで得られる効果があるように思えるのです。その効果とは、
【インストアベーカリーを導入する効果】
[1] 匂いで集客できる
[2] 来店頻度を高められる
でしょう。焼きたてパンの匂いは、とてもいいもの。パン嫌いでない限り、焼きたてパンの匂いを嫌いな人はいないはず。ついつい、匂いに釣られてお店を覗いてしまいます。さらに、パンは朝に食べることが多い食材で、毎日消費されるもの。つまり、頻繁に補充しなければならない食材なのです。補充とは購入することであるので、パンを扱えば、来店頻度を高めることができます。
思えば、前回取り上げたグランマルシェも、いつからかインストアベーカリーを導入していました。また、この匂いがすごい。先週末に行った時も、この匂いに釣られて、思わずパンを買いたくなったほど。サンシャインワーフ神戸の近くの人なら、グランマルシェで定期的にパンを買っている人も、多いのではないでしょうか。少なくとも、ワインやビールなど酒類よりも消費頻度が高くなるので、グランマルシェとしては、来店頻度の向上が期待できます。(店舗の構造上、匂いは店舗外にほとんど漏れないため、集客効果はあまり大きくない模様。)
考えてみれば、アフタヌーンティーにしてもグランマルシェにしても、パンを焼くというのは専門ではないはず。専門は、雑貨小売であり酒類小売にほかなりません。しかも、パンを焼くというのは、それほど簡単なものではなく、朝早くから仕込みが必要で、さらに何年も修行をして、パンを美味しく焼く技術を習得するものです。では、なぜ雑貨屋や酒屋がインストアベーカリーを導入できたのか。しかも、そんなに広いスペースがないにもかかわらず。その要因は、
冷凍パン生地・チルドパン生地の技術が大きく向上したから
ではないでしょうか。または、
プロのパン職人が量産されているから
という要因も考えられます。あくまで推測になりますが、家庭でも食パンを美味しく作れるようになったことを考えると、インストアベーカリーを導入するハードルが下がっても不思議ではないはず。集客効果・来店頻度向上を狙って、比較的容易に導入できるようになったインストアベーカリーを活用しているように、思えます。
そして、今回見つけたのが、こちらの記事。
一般消費者のファッションに対する関心は、衣服よりも雑貨に集まる傾向が年々強くなっている。着こなしにおけるトレンド表現をとってみても、帽子・ストール・靴・バッグ・アクセサリーが重要視され、衣服そのもののトレンドはこの数年大きく変わっていない。雑貨が重視されるのは着こなしに限ったことでは なく、生活の様々なシーンでも同様である。(2013年4月2日付 日経ビジネスオンライン)
アパレル業界では、雑貨を導入することにより、売上向上を図っているようです。その流れがさらに進み、販売用に植物を導入するお店まで登場しています。アパレル店が雑貨を導入するように、食料品店・雑貨店は、インストアベーカリーを導入しているのではないでしょうか。カルディが焼きたてパンを売る日も、そう遠くないような気がします。
☆今日のまとめ☆
雑貨店や食料品店でインストアベーカリーの導入が増えているのは、匂いによる集客効果や来店頻度の向上を狙ったものではないか。
その背景には、冷凍パン生地・チルドパン生地の技術向上があるように、思える。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
アフタヌーンティーのインストアベーカリーで感じたのは、その価格の高さ。
でも、雑貨の平均単価と比較すれば、それほど割高感は無いんですね。
だから、この前行ったら、行列ができていました。
☆ 最近買った商品☆
この前買ったパンがこちら。
夙川の花見会場から阪急夙川駅に歩く際に、たまたま見つけたパン屋さんで買いました。
食べてみると、うめだ阪急のブーランジェリー・アンのパン・ド・ミーに似ているように感じました。
値段もそれほど高くなく、お手頃。
お店は、パンを作るスペースの方が広く、かなり品質にこだわっているような印象を受けました。
18時頃に行けば、焼きたてに出会えるかもしれません。