ロフト・神戸屋が教えてくれる、流行るお店の立地場所。
阪神三宮駅が大きく改装されました。そして、そこにはお決まりのショッピングスペース(スクラ三宮)が出来ています。鉄道会社も、他のドメスティック企業同様、人口減少による影響は避けられません。だからこそ、運賃以外の収入確保に力を入れるべく、駅にお店を誘致するのです。
私が実際に見たのは、西口。そごうの入り口がすぐそこにあり、そごうのデパ地下との競合は避けられません。面白いのは、駅ナカ(構内)にもお店(キオスクではなく惣菜・弁当系のお店)があること。阪神三宮駅は阪神電鉄の終点であり、ここで乗り換えることはできません。にもかかわらず、駅ナカにお店があるということは、改札を通ってから弁当を買うのを忘れた消費者が多いということでしょうか。駅ナカにわざわざ作る理由が、いまだにわかりません。
そんなことはどうでもいいのですが、今回取り上げたいのは、改札の外にある神戸屋について。このパン屋さんが、意外にも集客しているんです。「意外」という言葉を使ったのは、三宮の地下街(阪神三宮駅の改札は地下のみ)にはパン屋さんが多く、競争が激しいから。すぐそこには、そごうデパ地下のドンクがあり、少し歩けば、さんちか(三宮地下街にあるショッピングセンター)にも2軒あります。パンを買うのには苦労しない場所なのに、神戸屋のお店には思った以上にお客さんが入っているのです。その理由は、簡単。
帰り道にあるから
に違いないと思います。つまり、パンを買うために、わざわざパン屋さんやスーパーに行かずに済むのです。阪神線を使う人なら、改札を通る前にさっと買えます。JRの人でも、地下から駅に行く道の途中で買えます。かなりアクセスがいい場所なのです。
ちなみに、値段を見ると、さほど安いわけではありません。通常の大きさのクロワッサンが200円で、あんぱんが180円。どちらかというと高い部類に入るのではないでしょうか。しかも、神戸屋のパンは特に美味しいという意見を聞いたことはありません。神戸でパンと言えば、ポールやポール・ボキューズ、イスズベーカリーであり、辛うじてドンクが入るぐらい。わざわざ街中で神戸屋を買うという人は、あまりいないように感じます。価格・人気を考えれば、新しくできた神戸屋の人気ぶりは、立地の良さが大きな要因を占めていることがわかります。
こういうことを考えていて、たまたま見つけたのがこちらの記事。
大手雑貨店のロフトは店舗面積が100~130平方メートルとコンビニ並みの超小型店の出店を今月から始める。文具を中心に商品数を絞り、駅ビルや駅ナ カなどへ出店しやすくする。首都圏を中心に2013年度は5店の新設を目指す。同社が主要顧客と想定する20~30代女性に加え、駅を利用するサラリーマ ンらを取り込むのが狙いだ。(2013年4月3日付 日経MJ)
記事には書かれてないですが、これもアクセスの良さを追求した出店なのは間違いありません。それほど、今の消費者は忙しく、無意識のうちに時間節約を選好しているのです。
☆今日のまとめ☆
阪神三宮駅の新しくできた神戸屋の人気っぷりは、その立地の良さにある。
そして、ロフトも、アクセスの良さを追求した小型店の出店を進める。
それだけ消費者が忙しくなり、時間節約を優先しているという証拠。
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☆ 今日のこぼれ話☆
ちなみに、神戸屋は閉店21時なのですが、30分ほど前から割引セールが始まります。
そして、それと同時に行列が出来ていました。
利便性だけでなく、価格にもシビアなのです。
☆ 最近買った商品☆
先日食べたどら焼きがこちら。
どら焼きなんて、普段食べないのですが、今回はたまたま戴き物をよばれました。
文明堂って、カステラのイメージがありますが、どら焼きも作っているのですね。
美味しかったですよ。