神戸の新商業施設・umie(ウミエ)が教えてくれた、消費税還元禁止令の危険性と可能性
先日、プレオープン時に神戸の新ショッピングセンター・umie(ウミエ)に行ったのですが、大部分のお店で何かしらのセールが行われていました。当然と言えば、当然です。新しいお店が出来て、一番注目を浴びる時にこそ、新規顧客を獲得するチャンスなのですから。飲食店のオープン時にも行われる、新規顧客獲得の定石です。ただ、とてもおもしろいことがありました。それは、多くのお店でセール手法が同じということです。そのセール手法とは、
全品○○%引き
というもの。
割引率は、10%と20%がほとんど。ユニクロは5%引きでしたが、割引率が低い分、セール価格を設定していました。(ただし、ユニクロはモバイル会員のみ5%引き。)多くのお店が、こぞって全品を同率割引するのには理由があります。その理由とは、大きな集客・売上が見込めるからに他なりません。
この手法、オープン時だけに適用されるものではなく、特定の日に限定する形で頻繁に見かけます。よく見るのが、スーパー・ドラッグストアでの事例。例えば、私が知っている限りでは、
ダイエー系のGMS・スーパー
関西スーパー
サンドラッグ
マツモトキヨシ
ダイコクドラッグ
で行われています。毎週行うところもあれば、毎月行うチェーンもあります。しかし、頻度は違えど、その集客力は凄まじいものがあります。普段の2倍ぐらいのお客さんは、来店しているでしょうか。そのほとんどが何かしら購入するので、売上も2倍近くあるかと思います。
これだけ、全品割引は普及した販促手法であり、消費者側にも認識が高い割引なのです。その一方で、来年からの消費増税を睨んで、消費増税還元セールが禁止される模様です。政府の見解が理解できないわけではありません。前回の消費増税時には、そりゃ多くのチェーンで消費税還元セールが行われましたから。そして、大きな成果を上げたようです。しかし、今回同じような成果を上げるかは、かなり疑問です。というのも、
消費税還元セールは全品割引手法の一種
だからです。前回増税時には、全品割引という販促手法は、無いもしくは、ほとんど行われていませんでした。だからこそ、そのお得さに新鮮味があり、大きな効果があったのです。しかし今では、全品割引は毎週のように行われていますので、新鮮味はありません。よって、当時ほどの効果は見込めないのではないでしょうか。
政府による規制が全く不要とは思いません。このような規制の存在で、消費税増税分の価格への転嫁が、規制がない場合よりも確実にやりやすくなるからです。そして、消費者の中にも、増税分の値上げは仕方ないという認識が生まれるでしょう。ただ、この規制により、全品割引までも禁止になれば、小売店売上にとって大きな打撃になるのは必至。そこで、全品割引ではなく特定品目だけの割引になれば、値下がりがさらに加速するという副作用まであります。結局は、全品割引は認められ、増税開始時から一定期間は、全品割引の頻度が増えることになると予測しています。
☆今日のまとめ☆
全品割引が普及した今では、前回の消費増税時と同じような消費税還元セールの効果は見込めないのではないか。
結局、全品割引は認められ、増税時から一定期間は、全品割引の頻度が増えることになると予測する。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
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☆ 今日のこぼれ話☆
「全品10%引き」なんて表示を見れば、つい予定もなくお店に入ってしまいます。
そして、この機会を逃せないとばかりに、何か買ってしまいます。
それだけ、全品割引には大きな集客・売上効果があるということですね。
☆ 最近買った商品☆
先日、阪急の期間限定ショップで食パンを買いました。
本当は、アンで買う予定だったのですが、たまたま見かけたので買うことに。
「期間限定」という言葉の魔力ですね。
で食べた感想は、意外に食べごたえのあるパンです。
サクサク感でももちもち感でもなく、食べごたえ。
わかりますか、この感触。
価格もお手頃で、さらに保存料を使用していないようなので、ありがたいです。
ブーランジェリー・リールさん、ごちそうさまでした。