井村屋のあずきバー6本入りが168円でも売り切れない理由とは?
先日、近くのスーパー・グルメシティでの出来事。暑くなってきたので、アイスクリームの特売が始まりました。しかも、それがかなり安い。
【グルメシティで行われたアイスクリームの特売】
すべて各168円
アイスクリームは個人的に好きなこともあり、チラシの価格を注意して見るのですが、マルチパックが168円で特売されたことは記憶にありません。よくあるのが、198円。これでも十分安く、店頭では大抵は売り切れています。レギュラープライスが248円なので、2割引き・50円安いというのは、消費者にはかなりお得感があるのです。それが、今回は80円引きで3割強の値引き。好きな人にとっては、「いつ買うの?今でしょ」というフレーズが口から出てくることは間違いないでしょう。
夕方頃、売り切れを予測して店頭を見たところ、意外や意外まだ残っていたのです。残っていたのは、あずきバーのみ。シュガーコーンとパキシエルは完売でした。あずきバーだけが売れ残っているのは、168円というプライスがそれほど魅力的でなかったという証拠。ならば、さらに値下げすれば売れるのかというと、そうとは思えません。値下げしても売れないのは、ターゲットとそのニーズが他の2品とは異なるからだと思います。
【あずきバー・他アイスのターゲットとそのニーズ】
【あずきバー】中年以上→ちょっとだけいいものを食べたい
【他アイス】子供→いっぱい食べたい
あずきバーのターゲットは、中年以上でしょう。その多くは、世帯人数がさほど多くありません。よって、6本買っても食べきれないという事態が起こるのです。本数を多く食べるよりは、ちょっとだけ食べたい。しかも、中年と言えば、健康に気遣い始める年齢です。あずきバーでも、甘さ控えめのものや添加物が少ないものを欲しがっても不思議ではありません。だからこそ、6本入りが168円と破格値で販売されても、手に採らないのだと思います。それよりかは、1本100円の甘さ控えめアイスを買うのではないでしょうか。
一方、シュガーコーンやパキシエルのメインターゲットは子供。もしくは、20代~30代前半の若者です。これらの消費者は、質よりも量を求める年齢になります。30代になれば少しは質を求めますが、それ以上に懐事情が厳しいので、よっぽどこだわりのある商品ならまだしも、そうでなければ質よりも安さを優先するのではないでしょうか。この結果、子供を持つ親や子無しの30代にとって、マルチパックの168円という価格が大きな魅力になり、売り切れるのです。
このように考えると、人口の高齢化とともに、あずきバーの6本パックは販売数量が落ちているのではないか、と予測できます。人口静態の変化によって、売れるアイスの特徴も割安感から品質に変わるのではないでしょうか。だからこそ、ハーゲンダッツが、商圏でリーチが限られる店舗経営をやめて、より多くの人にリーチできる卸販売のみにシフトしたのだと思います。
☆今日のまとめ☆
破格値で特売されていたのにもかかわらず、あずきバー6本入りのみ売れ残っていた。
この要因は、あずきバーのメインターゲットである中年以上が、割安感よりも品質を重視しているからではないか。
人口静態の変化により、売れるアイスの特徴も変わるのだろう。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
あずきバーは好きなのですが、私にとっても6本は多い。
2年ほど前に買ったことあるのですが、結局シーズンオフまで残り、寒い中食べた記憶があります。
通りすがりの中年40代ですが
あずきばー、パキシエル、シュガーコーンの3つのなかから
選べとならばあずきバーが最後に残ります。
あずきだからでなく、単純に魅力のない商品だからだと思います。
ちなみに私が小学生の頃は井村屋のあずきばーが飛ぶように売れてました。
小学生の自分もあずきばーが売れ残っている店が無いか探し回った記憶があります。
しかし、今は魅力ある新商品がどんどん出たので
あずきばーの存在感はなくなってきたのでわないでしょうか?
あずき=中高年
その他=子供
この発想は少し思慮が足りないかと思います。
通りすがりさん
コメントありがとうございます。
その通りかもしれないですね。
シニア=保守的
という考えは、もう成り立たないかもしれません。
今のシニア層は戦後新しいモノを取り入れてきた世代なので、自分の価値観に合えば目新しいモノでもどんどん買うのかもしれません。
最近感じたのですが、あずきバーにはかなり熱心な信者がいて、値段に構わず購入しているのではないか、ということです。
ならば、今後特売商品から外れ、販売者側から見れば隠れた利益商材になるかもしれません。