マクドナルドの1000円バーガー、一時的な客数増しか期待できない理由とは?
マクドナルドの1000円バーガーが、ついに発売されました。日経トレンディネットでは、早速レビュー記事が掲載されていました。
日本マクドナルドが同社初の1日限定“1000円バーガー”を発売する。
「クォーターパウンダージュエリー」と題された、クォーターパウンダー(1/4ポンド、通常の約2.5倍のビーフパティ)を使った3つのハンバーガー で、価格はなんと1000円(ポテトM、ドリンクMのセットなら1200円)。2013年7月6日(土曜日)、13日(土曜日)、20日(土曜日)にそれ ぞれ1種類ずつ、各30万個限定で販売する。 (2013年7月4日 日経トレンディネット)
この記事を読む限り、かなり美味しそうに感じます。お昼前に記事を読むと、思わず食べたくなるほど。ただ、ヤフーニュースの1000円バーガーに関する記事に寄せられたFacebookコメントを見ると、評価はさほど高くありません。食べていない人の多くは、どちらかというと低い評価を下しています。評価が高くない理由は、
値段が高いから
がダントツ。いくら美味しいとは言え、ハンバーガーに1000円も出すのは、やはり抵抗が強いようです。実際、私も、気になる商品とは言え、1000円でマクドナルドのハンバーガーを食べるぐらいなら、海鮮丼を選択するでしょうか。ハンバーガーに関しては、アベノミクス効果はあまり感じられないようです。
しかし、デパ地下のスイーツは、かなり売れているという実感があります。少し高めのスイーツには簡単にお金を投じるものの、1000円バーガーは買い渋る理由を、考えてみました。
【高いスイーツと1000円バーガーの売れ行きが違い理由】
[1]1000円バーガーは価格の許容範囲を超えているから
[2]スイーツはみんなで食べられるという価値も付いているから
1について、デパ地下のスイーツと言えども、それほど高いわけではありません。少し高い程度であり、逆にショートケーキで1000円を超えるものは、さほど売れていないと思われます。この「少し高い」というのが重要で、許容範囲内だからこそ、売れているのです。一方、マクドナルドの1000円バーガーは、Facebookコメントを見る限り、許容範囲を超えているようです。マクドナルドでは、以前販売されたビッグアメリカの価格(単品で300~400円程度)が、顧客が受け入れる許容範囲ではないでしょうか。話題性を高めるために、1000円という大台に載せたのだと思いますが、話題性だけで終わるように感じます。「ネタで一回食べたけど、それで十分。」という人が、ほとんどなのではないでしょうか。
2について、スイーツが売れる大きな理由は、家族や友人と一緒に食べられるからです。一人用で買っている人もいますが、デパ地下でスイーツを買っている人の多くは、家族や友人用も含めた複数個購入しています。少し高いスイーツをみんなで食べれば、楽しい時間が過ごせ、結局人間関係が和むことになります。このソーシャルの機能があるからこそ、少し高いスイーツが売れているように感じます。一方、マクドナルドの1000円バーガーは、自分一人で食べる食事です。友人とシェアする人もいるかもしれませんが、マクドナルドが半分に切ってくれることは期待しにくいので、シェアする人はほとんどいないと思われます。ソーシャル機能もないのに、一人でハンバーガー1個に1000円使うことに対し、抵抗のある人は多いのではないでしょうか。
このように考えると、話題性で1000円バーガーはそれなりの売上を上げるかもしれないですが、回を重ねる毎に売上を減らす恐れも否定できません。そして、結局客数の増加も一過性で終わるのではないでしょうか。
☆今日のまとめ☆
マクドナルドの1000円バーガーは、一時的に客数増をもたらすが、それで終わるのではないか。
それは、売れているデパ地下のスイーツとは全く違うからである。
デパ地下のスイーツは、高いと言ってもその価格は許容範囲内であり、またみんなで食べることによって、人間関係を和やかにしてくれる価値を持つので、売れている。
一方、1000円バーガーは、許容範囲を超えた価格であり、スイーツが持つソーシャル機能を持たない。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
1000円バーガーを食べるなら、モスに行くかな。
原田さんには申し訳ないですが。