女性向け商品を開発する吉野家、米マクドナルドの二の舞いになるのか?

吉野家の店舗

 

吉野家が女性向け商品の販売に力を入れているようです。

 

吉野家ホールディングスは牛丼店「吉野家」で 11月1日、女性向けのセット商品を発売する。牛丼の小盛りとサラダを一緒にした「コモサラセット」という名称で、生野菜サラダのセットが330円。ごぼ うサラダかポテトサラダのセットを360円で扱う。女性顧客からの「健康的なメニューを増やしてほしい」という要望にこたえる。(2013年10月30日付 日経MJ)

 

目的は、客層を変えたいからでしょう。従来の男性だけでは、客数を増やすのが限界と判断したのかもしれません。また、従来の男性からは、単価の高いメニューの注文が想定以上に少なく、客単価引き上げ効果も期待できないと判断したのかもしれません。

 

女性向け商品を販売することで、女性という新規顧客の獲得を期待できる反面、単価が低いので、客単価がより下がるリスクはあります。ただし、よく見ると、小盛りの新メニューは380円。一番単価の低い商品の並盛の280円よりも100円も高いのです。380円の小盛り商品の販売に踏み切った背景には、並盛の注文比率が思った以上に高まったという想定外の現実があるのかもしれません。客単価が大幅に下がったことを考慮に入れると、あながち当たっているのではないでしょうか。

 

さて、吉野家の女性向け商品は、想定通りに売れるのでしょうか。そのヒントとして、米マクドナルドが導入したヘルシーメニューの売れ行きを取り上げたいと思います。というのは、男性がメイン顧客の吉野家の女性向け商品は、ジャンクフードがメインの米マクドナルドのヘルシーメニューとほぼ同じと捉えることができるからです。つまり、従来のイメージとは違うメニューなのです。

 

【吉野家の女性向け商品と米マクドナルドのヘルシーメニュー】

【吉野家】男性が主要顧客→女性向け商品は従来のイメージと全く違う

【米マクドナルド】高カロリーのハンバーガーが主要商品→ヘルシーメニューは従来のイメージと全く違う

 

結論から言うと、米マクドナルドのヘルシーメニューは、かなり苦戦しています。その理由は、先述の通り、消費者が抱くイメージと全く異なり、ヘルシーメニューが来店動機にならないからです。例えば、健康への意識が高い女性が、ランチを食べる場所で迷っているとします。その際、いくら米マクドナルドがヘルシーメニューをプロモーションしていても、その候補として上がりにくいのです。その女性にとって、「マクドナルド=高カロリーのジャンクフード」というイメージがあり、選択肢にすら上がってこないからです。同じことが、吉野家の女性向け商品に起こっても不思議ではありません。

 

新商品が実際に売れるかどうかは、蓋を開けてみなければわかりません。もしかしたら、吉野家の女性顧客が増えているという事実があり、女性向け商品を開発したのかもしれません。しかし、たまに店舗前を通る限り、店舗内で食べている人のほとんどは、男性。女性向け商品が売れる気配すら感じないのです。一度付いたイメージを覆すのは、とても難しいと言えるのではないでしょうか。

 

☆今日のまとめ☆

吉野家の女性向け商品は、苦戦するのではないか。

それは、吉野家は男性のイメージが強く、女性による店舗選択の候補にも上がらない可能性が高いからである。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

吉野家にも、いろんな形の店舗があり、JR三宮駅の西側にあるお店は、比較的小奇麗なお店です。

こちらの店舗では、先日女性の姿がありました。

女性に持ち帰りが多いことも考えられますね。

実際、女性の吉野家利用は増えているのでしょうか?

気になるところです。

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