ワタミの60店舗閉鎖が示す、店舗ビジネスのビジネスモデル転換

和民のテーブル席

4月中旬の日経MJに、店舗ビジネスが直面する人出不足に関して、一面でとりあげられていました。

外食・小売業で人手不足が深刻だ。ワタミは慢性的な人手不足を解決するため全店の1割にあたる60店を閉鎖して人手を確保。小売り各社もパートを正社員に転換するなど対策に追われている。企業は成長の源泉となる出店すらままならない危機にぶつかっている。(2014年4月9日付 日経MJ)

ワタミの場合は、労働環境を改善させるための店舗閉鎖ですが、従業員を増やすことでも改善できたはず。にも関わらず、売上減少が避けられない店舗閉鎖に踏み切ったのは、そもそも従業員を増やすこと自体が難しいからに他なりません。すき家もしかり。はてなブックマークでも見かけましたが、特に東京の飲食店は、時給を上げてバイト募集しても、なかなか応募がないのが現状のようです。

従業員を確保できなければ、店舗を増やすことはできません。つまり、一つの成功パターンを見出し、それをコピーするが如く他店舗展開により収益拡大を目指すビジネスモデルが、今後成り立たない可能性が高くなったのです。

ならば、どうやって収益を拡大させればいいのか。既存店を強化するしかありません。客数か客単価を引き上げることにより、既存店の売上・利益を拡大させるしかないのです。先述したようなコピーによる収益拡大ができないとなれば、他店舗展開によって確立した利益率も難しくなります。そう、店舗ビジネスが儲からないビジネスになりかねないのです。

ならばどうするか。既存店の客数を増やすべく、持ち帰り商品の販売やデリバリーなど、利用機会が増えるようなサービスを行うことも、一つの方法でしょう。さらに、特徴的なメニューで人気が出れば、店舗監修の食品開発・販売などブランドロイヤリティビジネスも不可能ではありません。

☆今日のまとめ☆

人手不足が今後より深刻化すれば、多店舗展開による収益拡大モデルが通用しなくなるのではないか。

既存店の収益拡大でしか事業拡大が難しくなるので、飲食店経営が儲からないビジネスに成り下がりかねない。

それを打開する方法として、持ち帰り商品の販売やデリバリーなど既存店の利用機会を増やす施策を行うか、人気店ならブランドロイヤリティ収入を目指すなどがある。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

日経MJの記事によると、人手不足の要因として、飲食店の店舗増加が依然続いていることも一つの要因のようです。

人口が減っていながら、店舗だけ増えているのだから、人手不足になるだろうし、儲からなくなるのも、ある意味必然です。

 

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