ファミレスのロイヤル決算からわかった、「ちょい高消費」のリスク
ロイヤルの2014年12月期決算が発表されました。(リンク先はPDF)比較的好調なファミレス業界のトップブランドを運営するとあって、増収増益。消費増税何のその、という感じでしょうか。しかし、その内容を見ると、上辺のイメージとは全く異なります。
【ロイヤル決算の注目点】
[ロイヤルホスト業績]減収増益、既存店売上は不調
[てんや業績]増収増益、既存店売上は絶好調
[ホテル業績]増収分の44.2%、経常利益増加分の87.9%を稼ぐ
上場企業ロイヤルホールディングス株式会社のメイン事業は外食で、その中でも、ファミレスのロイヤルホスト事業が全体売上の31.4%を稼いでいます。しかしながら、メイン事業は減収。ファミレスは好調だという認識が強いですが、ロイヤルホスト事業は売上を減らしているのです。
その要因は、不調な既存店売上。上期(2014年1月~6月)こそ102.3%を記録しましたが、下期は99.1%と前年割れ。ちなみに、ライバルとも言えるすかいらーくは、通年・下期ともプラス。ファミレス業界も、消費増税による節約志向の高まりの影響を免れていないようです。
一方、ロイヤルの外食部門を引っ張るのが、天丼ファストフードのてんや。和食ファストフードは、ここでも好調なようです。てんやの既存店売上推移表を見ると、びっくりしますよ。2014年すべてプラスで、上期は109.3%、下期は107.2%。驚いたことに、既存店売上の牽引役は、客数。客単価もプラス傾向なのですが、一部の月でマイナスに転じています。一方の客数は、いずれの月も105%~110%ほどを記録。客数増の背景には、訪日外国人の急増があるようです。500円で手軽に天丼を食べられるてんやは、外国人観光客にとって絶好の“観光スポット”なのかもしれません。
最後にホテル部門について。この部門も訪日外国人の急増の恩恵を受けているのですが、その業績インパクトがもはやメイン事業の外食部門を凌ぐほど。増収増益分の半分近くを稼ぎ出しています。2015年度も、2店の開業と1店の改装など、ホテル部門には力を入れる模様。ロイヤルホストのイメージが強いロイヤルですが、その収益事業はホテル部門であり、今後ホテル部門がメイン事業になるかもしれません。ホテルにロイヤルホストを併設するとか、相乗効果も期待出来そうですから。
ロイヤルの業績を見る限り、「ちょい高消費」の代表格ファミレス業界も安泰では無さそうです。2015年1月の既存店売上高もマイナスであり、消費増税後の影響はまだ続いています。
☆今日のまとめ☆
増収増益のロイヤルだが、既存店売上高がマイナス基調のファミレス事業は減収。
業績を引っ張るのは、訪日外国人急増の追い風を受けるてんや事業とホテル事業。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
ふるさと納税で綾町からいただいた綾豚ですが、もう量が半端ありません。
焼肉用のバラ肉を焼いて食べたのですが、脂身は多いもののジューシーでしたよ。