神戸初上陸、バーガーキングが好調な理由とは?

バーガーキング神戸上陸の看板

 

※  「アメリカ経済事情」に関しては、サイト「ウォール・ストリート・ジャーナルから見た起業のヒント」にて更新しております。今後、ryotarotakao.comでは、メルマガには掲載しない内容を執筆する予定です。

 

先日、神戸三宮の繁華街を歩いていると、上のような巻物状の看板を見つけました。神戸にバーガーキングが上陸するようです。場所は、阪急線・JR線の駅前で、ケンタッキーフライドチキンやマクドナルドなどファストフードが集積するところ。洋風ファストフード(ハンバーガーやチキンなど)の競争が、激しくなりそうです。

 

神戸に出店するということは、大阪・難波のお店が順調に売上を伸ばしているということでしょう。そこで、バーガーキングのホームページを覗いてみました。すると、急激とは言えないものの、コンスタントに出店を進めているようです。撤退の経験に活かして、無理な出店は避けているようにも思えます。

 

それでも毎月のように出店をするということは、それだけ消費者に受け入れられ、業績も予想通り進んでいる証拠。そこで、バーガーキングが日本で好調な理由を考えてみました。

 

【バーガーキングが日本で好調な理由】

[1]    ガッツリ食べられるハンバーガーを提供しているから。

[2]    アメリカ仕込みのジューシーなイメージがあるから。

[3]    カスタマイズなど面白いサービスを提供しているから。

 

1に関して、ガッツリ食べられるハンバーガー店は、他には無いのではないでしょうか。低価格で売るマクドナルドが頭に浮かびますが、「安い」というイメージがあっても、「量が多い」というイメージはありません。サイトを見ても、でかい文字や大きな画像、ナイフとフォークのイラストなど、「ガッツリ食べるハンバーガー」というイメージを植え付けようとしているのがわかります。

 

2に関しても、1と同様、マクドナルドと競合しそうですが、フライ物のハンバーガーがあるマクドナルドに対し、バーガーキングにはフライ物のハンバーガーはありません。いずれも、ジューシーなパティが挟んで有ります。ジューシーなパティで勝負していることが、よくわかります。

 

3について、今回の調査で初めて知りました。バーガーキングには、「ハヴィッチョウェイHAVE IT YOUR WAY」というカスタマイズサービスがあります。通常のハンバーガーに、追加でパティやチーズ、野菜などが挟めるというもの。もちろん有料です。サブウェイのシステムと、とても似ています。さらに、期間限定(11月末終了)でバイキングサービスも行なっています。特定のメニューを注文した人は、規定時間内に完食すれば、おかわりができるというサービス。ハンバーガーを堪能したいという人やツイートするネタが欲しい人には、うれしいサービスです。これらのサービスは、他のファストフードで見たことはありません。よって、大きな差別化要因になっています。

 

これら3点を提供するには、それなりの料金をお客様より頂戴する必要があります。よって、それなりに価格は高くなります。例えば、看板メニューのワッパーのセットは、Mサイズで780円。ちなみに、この価格は、マクドナルドで言えば、ダブルクォーターパウンダー・チーズセットとほぼ同じ。マクドナルドの最高価格帯になります。バーガーキングの最高価格は、ダブルワッパーチーズMセットの1010円。(Mセットで最高価格)バーガーキングの価格の高さがわかるかと思います。

 

この価格の高さは、入店ハードルになる一方で、大きなメリットも提供しています。それは、中高生が少なくなることで、その結果、店内が比較的うるさくなくなります。これと対照的なのが、マクドナルド。単価が低いために、中高生のお小遣いでも支払えるので、中高生のたまり場になっているお店もあるほど。少なくとも、私のイメージでは、「マクドナルド=中高生が多い=うるさい」であり、長居しにくい(したくない)場所になっています。この「比較的うるさくない店内」は、少しゆっくりしたいサラリーマンや大学生にとって大きな魅力になるかと、思います。そして、それは、バーガーキングの好調の要因にもなっているのではないでしょうか。

 

【バーガーキングが日本で好調な理由】

[4]  比較的うるさくなく、ゆっくりできるから。

 

要は、「ゆっくりジューシーなハンバーガーをガッツリ食べたいサラリーマン」というターゲットを明確にし、その要望に答えようと製品・サービスで差別化したからこそ、出店を順調に進めているのでしょう。バーガーキングの好調さを見ると、価格競争の激しい外食産業にもスキマはまだまだありそうに思えます。

 

☆今日のまとめ☆

バーガーキングが好調なのは、ターゲットを明確にし、そのターゲットのニーズを満たす商品(雰囲気・サービスも含む)を提供しているから。

競争激しい外食産業にも、スキマはまだまだ存在する。

 

 

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☆  今日のこぼれ話☆

バーガーキングの業績を調べようとしたところ、非上場企業なので、月次実績は公表されていませんでした。

アメリカの親会社を調べても、日本についての言及は特になし。

日本で好調と言えども、それ以上に新興国(ロシアやマレーシア)で業績を伸ばしているのでしょう。

 

☆九州水力電力・東部電力創業者 松永安左エ門の言葉☆

「意気地さえあれば、失敗などということは人生にない。そして、失敗によって人は鍛えられるのだ。」(『経営者100の言葉―胸に熱く響く』より)

 

 

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