高くても売れるスターバックスに異変が起こっている

ボリューム満点のフラペチーノ

 

スターバックスと言えば、高くても売れるという、飲食店にとっては何とも羨ましいコーヒーチェーン。その四半期決算も、すごかった。

 

スターバックスコーヒージャパンが6日発表した2013年4~9月期の単独決算は、税引き利益が前年同期比35%増の43億円だった。4~9月期として過 去最高となる。景気回復期待と猛暑を追い風に、500円前後と少し高めのデザート風飲料「フラペチーノ」の販売が伸びた。円安によるコーヒー豆の調達コス トの増加を吸収した。(2013年11月6日 日経電子版

 

過去最高益の要因は、既存店売上高が増えているから。既存店売上高がプラスで推移すると、販管費比率も下がり、売上高の増加が営業利益の大幅増を導いてくれます。飲食店や小売店が既存店売上高を重視する理由が、よくわかります。

 

その既存店売上高がプラスになった要因は、客数・客単価ともプラスだったから。つまり、「高くてもよく売れた」ということになります。アベノミクスにより景況感の改善しつつあるとは言え、百貨店以外高くても売れるという小売業態はほとんどありません。(不動産は高くても売れていますね。)特に、飲食店の場合は、客数が伸びないという悩みを多くのチェーンが抱えています。スタバはそれをクリア。だからこそ、既存店売上高がプラスになり、増収増益になったのです。

 

しかし、直近の月次実績を見ると、少し様相が違う模様。9月から何やら異変が起こっているようなのです。

 

【スターバックスの2013年8月~10月の既存店実績】

[既存店売上高]103.6%→100.8%→99.0%

[既存店客数]103.1%→101.4%→99.7%

[既存店客単価]100.5%→99.4%→99.3%

月次実績(PDF)より

 

三項目すべてが悪化し、最新の10月実績では、すべてがマイナスに転じています。ちなみに、既存店売上高がマイナスになったのは2012年7月以来、客数は2012年2月以来、客単価は2012年12月以来です。(客単価は2013年9月もマイナス)

 

スターバックスの説明によると、10月の既存店売上高がマイナスになったのは、気温の低下と台風の到来のためだそうです。しかし、客単価はすでに9月からマイナスに転じており、気候以外にも原因があることがわかります。9月の月次実績の説明でも、既存店売上がほぼ前年並みになったのは、気温の低下と台風の到来が原因とされています。しかし、9月の既存店が思ったほど振るわなかったのは、客単価がマイナスに転じたから。気候要因は客数に影響するので、他に要因があることは明確です。

 

そのヒントは、四半期決算説明資料(PDF)にありました。2013年度は、既存店売上がプラス2%で推移するものと想定したようです。しかし、2月から8月は平均プラス6%で推移。その要因として、景気回復期待と説明しています。つまり、アベノミクスの影響により、2月~8月は既存店売上が大きく上振れたのです。そして、9月にはその影響がはげ落ちたと、説明しています。この説明からわかるのは、既存店売上高がマイナスに転じたのは、消費者の景況感が悪化したからに他なりません。

 

客数が減少したということは、既存客がスタバの利用を控えたということ。客単価が下落したということは、特に値下げしたわけではないので、既存客が節約したということになります。つまり、既存顧客の節約志向が高まったということです。消費税増税を見越した節約が、9月から始まったように思えてなりません。

 

 

☆今日のまとめ☆

絶好調に見えるスタバだが、直近の既存店売上高はマイナスに転じる。

その要因は、客数のみならず客単価も下落したから。

これは、消費税増税を意識した節約志向の高まりを示しているのかもしれない。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

当初、スタバの好調ぶりを改めて分析しようと思いましたが、詳しく調べてみると、業績に異変が起こっていることがわかりました。

単価の高いスタバから、コンビニの100円コーヒーにシフトしているのかもしれませんね。

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