セブン-イレブンが地ビールを販売しない理由とは?
by courtesy of MIKI Yoshihito
地ビールの露出が大変多くなってきました。これまでは、百貨店や高級スーパーにちょこっとあるぐらいでしたが、これがスーパーに波及。そして、ローソンやファミリーマートでも扱われるようになりました。地ビールの売れ行きがいいのか、阪神百貨店梅田店では、地ビールばかりを集めた大きなショーケースが設置され、地ビールの販売に力が入っている模様です。
これほどアツい地ビールですが、コンビニ最大手のセブン-イレブンは全く取り扱っていません。決してビールの販売に消極的なわけではなく、大手ビールメーカーとセブンオリジナルビールを共同開発するほど、ビールの販売には力を入れています。そのせいもあって、他のコンビニチェーンよりもビール売場(発泡酒や新ジャンルを含まず)面積(棚数)は、一番多いのではないでしょうか。それほどビール販売に積極的なセブン-イレブンが、地ビールを販売しないのには、何か理由がありそうです。
その理由は、セブン-イレブンのビール売場にヒントが隠されています。セブン-イレブンが地ビールを販売しないのは、
地ビールに似たプレミアムビールで代替できるから
ではないでしょうか。そう考えたのは、グランドキリン(GRAND KIRIN)というプレミアムビールが、広い面積を取って販売されていたからです。グランドキリンとは、もともとセブン-イレブン限定の商品で、今年の10月に全国のコンビニへの販売が解禁されました。しかし、私の知る限り、グランドキリンを販売しているコンビニは、セブン-イレブンのみ。ローソンやファミマで見たことはありません。それほど、売るのが難しい商品なのかもしれません。実際、単価も高く、賞味期限も短そうで、売れ残りリスクの大きな商品のようです。
ローソンやファミマがグランドキリンを販売しないのは、さほど知名度の高くないグランドキリンを扱うよりも、確実にファンのいる地ビールを扱った方が、収益にプラスになると判断したのでしょう。
一方のセブン-イレブンは、セブン-イレブン限定商品であったグランドキリンを販売した方が、差別化が図れると判断したのだと思います。さらに、これまで取引のない中小企業が製造する地ビールよりも、長年取引があり大企業のキリンが作るプレミアムビールを扱った方が、低コストで販促を掛けやすいと考えたのではないでしょうか。
つまりセブン-イレブンは、競合他社と価格競争に陥り、さらにメーカーの販促支援を期待できない地ビールよりは、元々オリジナル商品のため差別化でき、メーカーの販促が期待できるグランドキリンを扱った方が、より大きな収益を期待できると考えたのではないでしょうか。
グランドキリンを見ると、製造から関与することにより、より大きな差別化・収益化を図ろうとするセブン-イレブンの方針がよく理解できます。
☆今日のまとめ☆
セブン-イレブンが地ビールを販売しないのは、グランドキリンの販売に力を注いだほうが、差別化・収益化の効果がより大きいと考えるからではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
グランドキリン、まだ飲んでいないような気がします。
いや、飲んだかなぁ。記憶にありません。