クリアランスセールのもう一つの効果
by courtesy of Gerard Stolk
今年は初日から百貨店やSC(ショッピングセンター)のクリアランスセールに参加しました。これまでは、早く行っても二日目。初日の人混みにびっくり。例年これぐらい賑わっているのかもしれませんが、ニュースを見る限り、アベノミクス効果もあるようです。福袋の売れ行きが、数量・単価とも好調だったようですね。実際、メンズアパレルでも、福袋が売り切れているブランドがほとんどでした。
セールの目当てと言えば、値下げ。消費者にとっては、プロパー商品を安く手に入れられることが最大の恩恵です。一方、店舗側にとっては、セールに参加して値下げを実施するだけで、相当数の集客が期待でき、売上も増加します。その分、利益率が低下しますが、固定費である人件費が上昇傾向であることを考えると、利益率の低下はマイルドになっているのではないでしょうか。
【店舗側におけるクリアランスセールに期待できる効果】
[短期]収益拡大(固定費である人件費が上昇傾向なので、利益率の低下は幾分緩和)
今回取り上げたいのは、もう一つの効果について。百貨店やSCのセールに行くと、いつも目当ての商品に巡り会えるわけではありません。気に入った商品は、他の人も同じように思うのか、大抵すぐに売れてしまいます。セール初日に行っても然り。少し検討しようと思って、お店に戻ってみると実際その商品は売り切れていました。このように、安く商品が手に入る絶好の機会にも関わらず、目当ての商品は実際には購入できないことがよくあるのです。
もちろん、そのまま諦めて帰ってもいいのですが、このような大規模なセールは年間に二回だけであり、この機会を逃せば安く手に入れることができなくなるかもしれません。そこですることといえば、これまで行ったこともないブランド店に足を踏み込むことです。店舗側にとっては、新規顧客獲得機会になるのです。
【店舗側におけるクリアランスセールに期待できる効果】
[長期]新規顧客の獲得
この効果は、全社の収益拡大効果に比べて、短期で数字には表れません。長い目で見て、売上増に寄与してくるので、長期的な効果と言えます。
このように考えると、新規顧客獲得機会であるクリアランスセールの時こそ、接客に力を入れるべきなのかもしれません。
☆今日のまとめ☆
クリアランスセールは、短期的には収益拡大という効果が期待できる。
一方、長期的に考えれば、新規顧客獲得機会でもある。
よって、接客には力を入れるべきなのではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
あまりにも来店客数が多ければ、接客がおろそかになりがち。
こういう時こそ、差が付くのでしょうね。