マクドナルド6月既存店客数の大幅減はさほど深刻ではない
マクドナルドの2014年6月売上高が発表されました。ワールドカップにちなんだ期間限定商品を投入したものの、その結果は期待を大きく裏切ることになりました。
日本マクドナルドホールディングスが7日発表した6月の売上高の伸び率(既存店ベース)は前年同月比8・0%減と、今年2月の8・7%減以来、4カ月ぶりの大きな不振となった。客数は10・7%減と、これも2月の13・1%減以来の大幅な減少となった。(2014年7月7日 ヤフービジネス)
既存店売上高が大きく減少したのは、客数が大幅に減ったから。客数が減少した原因について、私は下記のように推測しました。
【マクドナルド6月既存店客数が大幅減少した要因】
[1]前年同月に実施したドリンク100円セールを実施しなかったから
[2]ワールドカップ開催と日本早期敗退
[3]ワールドカップメニューが複雑すぎたから
1について、これが一番の原因だと思います。ドリンク100円セールとは、マクドナルドの炭酸飲料の全サイズを100円均一で提供するという、大盤振る舞いの特売。これによる集客数はかなり高かったのではないでしょうか。それを止めたのだから、客数が二桁減になるのは仕方ありません。ちなみに、昨年6月は、このセールをしても客数は減少しましたので、それだけマクドナルドの客離れは深刻だったということになります。まぁ、今年6月も二桁の客数減を記録したわけで、まだまだ深刻さは続いていますが。
2について、ワールドカップの試合時間からそう影響はないように思えますが、試合観戦に備えて自宅で休息する人やパブリックビューイングに出かける人の存在を考えると、一人で食べる人の多いマクドナルドの売上にはマイナスに働きます。そう思うのは、ソチオリンピックが開催された今年2月も、マクドナルドの客数は大きく減少したからです。オリンピックほど老若男女が見ないワールドカップですが、過去にないテレビの過熱感を見る限り、普段サッカーを見たい人でも楽しんだ人は多かったと思います。もちろん、日本代表の一次リーグ敗退も、ワールドカップメニューを販売するマクドナルドにとって大きなマイナスになったと、考えられます。
3について、これはサイトのコメント欄にあった意見なのですが、ワールドカップメニューはわかりにくく、しかもさほど美味しくなかったようです。しかも、価格に対する不満も相当ありました。ちなみに、昨年6月の期間限定メニューは、クォーターパウンダーの挿入食材・ソースを変えたものでした。ありきたりなパターンである反面、今回のワールドカップメニューよりもわかりやすいので、注文しやすかったのではないでしょうか。ワールドカップメニューでの集客・リピーター獲得が、想定よりも大きく落ち込んだことが、客数の大幅減少につながったと推測します。
失敗に終わったワールドカップメニューですが、その使用食材や調理方法を考えると、結構頑張っていたと思います。従業員の負担もかなり大きく、オペレーションにつまずく店舗が多かったのかもしれません。新鮮味のある限定メニューは集客に寄与しますが、消費者の認知やオペレーション上のシンプルさも、それ以上に重要ではないでしょうか。
☆今日のまとめ☆
マクドナルドの6月客数が大きく減少したのは、前年同期のドリンク100円セールをしなかったことや、ワールドカップと日本代表の早期敗退、ワールドカップ限定メニューの複雑さが影響したのではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
私は、今回の客数の大幅減を一時的なものだと考えています。
次回の限定メニューでは、サブウェイを意識した野菜たっぷりのサンドイッチを投入するなど、従来のマクドナルドとは大きく改善していると思います。